2010年3月25日木曜日

男性の苦悩

エレイソン・コメンツ 第140回 (2010年3月20日)

私たちは今,深刻な無秩序状態に陥ってしまったため悲惨な時代を生きています.この無秩序について重ねて警鐘を打ち鳴らすため私が再登場することを弁解するつもりはありません.深刻な無秩序というのは,公の場で女性が男性を支配すること(あるいはそうなってきたこと)です.つまり女性 - 母たるもの - は家庭で家事を扱う女王たるべきで,それが何にもまして正常です.しかし,いったん女性が公の場で女王として振舞いだすと,男性連中の人生に深刻な支障が生じてしまいます.つまり,男性は女性をリードしたり神の方向に導いたりしなくなり,その結果,女性は生来の気質から本能的に男性に反発するようになります.

この問題を私に思い起こさせたのは,遠方の国に住む一人の賢明な若い男性です.ある日彼は,自分の周りでは,男性より女性向けの出版物が多いこと,大学に至るまでのあらゆる男女共学の学校で,素直で勤勉な女生徒の方が概して乱雑で集中力に欠ける男子生徒より成績が良いことに気づいたそうです.この若き友人は,男女共学とは果たして良策なのだろうか?と疑問を呈しています.

彼の観察だと,男女共学の結果,学校ではよりよい成績を収める女生徒が新たな「より強い性」として頂点に立ち,今や美貌の虜となって「より弱い性」に転じた男子を意のままに操っているというのです.新興の「女性文明」のあらゆる分野で,女性は男性に取って代わり主導者の地位を占めるようになっています.子どもを持つことでさえ,いまや女性は実験室で男性なしにそれが可能です.もはや男性は何の意味もない存在です.男性は落伍者なのです.我が若き友人は悩み苦しんだ挙げ句,次のような疑問で私への話を締めくくっています.真の男性になるための法則とは何なのだろうか?男らしさの意味は何なのか?男性の力強さと女性の力強さはどう異なるべきなのか?真の「強い女性」とは何か?また「強い男性」とは?

私の親愛なる若き友人よ,君が産まれてきたのは神の教えに背(そむ)こうとしている革命的な世の中であり,神が創造された自然や自然の秩序を転覆しようとしているところなのです.神の基本的な御計画は次に述べる通りです.すなわち,神は男性と女性を天国に住まわせるため,両性に極めて相互補完的な本性を与えて互いに結婚させ,そうして地上に住まい子孫を増やして繁栄していくように人類を創造されたのです.(詳しい解説・後記…1.) 神は女性に対し,子どもを産み育てることで(注釈・たとえ子を産まなくても女性はみな天賦の母性を持つ点で男性にない性質を有する.)家庭の心臓( “heart” )となるための秀でた感情をお与えになりました.男性に対しては,家庭の長(頭(かしら))( “head” )となり家族一家全員を天国に導いて行けるよう,そのための優れた理性をお与えになったのです.女性は家族の中で家庭生活を送るように,男性は社会の中で公的生活を送るようにとの神の御計画のもとに両性は設計されているのです.

したがって,女性,母親はできる限り家族の話に耳を傾け家庭のことによく注意を払うべきで,それはそうするための天賦の才を女性,母親が持つからです(旧約聖書・格言の書:第31章に記される,神の御言葉自らが描写した真に「強い女性」をご覧ください)(注釈・後記…2.).それに対し,女性,母親が元来向いていない(家庭の外での)公共の事柄に携わったり口をはさむのは通常はなるべく控えるべきです.女性,母親は生来そうあるべく神に創造されていないからです.今日の問題は,神を信じないために意気地無しとなった男性が指導力の空白を放置し,女性がそこへ入りこまなければならないということです.しかも,善良な女性は不本意ながらそうしているのです.私の親愛なる若き友人よ,真の男性をお作りになる神の御母の聖なるロザリオの祈りを毎日15連(喜び,悲しみ,栄光の各神秘をそれぞれ5連ずつ)祈りなさい.(注釈・後記…3.)あなた自身を神で,神で,神で,一杯に満たしなさい.そうすれば,あなたは女性が絶対に必要とする三つの l ( “the three l’s” (アルファベットの “ l (エル) ” ))を彼女たちに与えることができるでしょう.それは,耳を傾けること( “to be listened to” ),愛されること( “to be loved” ),リードされること( “to be led” )です.神(への信頼)なしでは,あなたは女性からいいようにあしらわれることになるでしょう.

私は真剣に毎日ロザリオ15連を祈るよう勧めます.それ以下ではだめです.

キリエ・エレイソン.

英国ロンドンにて.
リチャード・ウィリアムソン司教


* * *


1.(神の基本的な御計画についての詳しい解説)

神は,最終(究極)的に全人類を天国に住まわせるため,
(1)人を初めから男性と女性とに創造され,その際,両性に極めて相互補完的な性質を生来的にお与えになり,
(2)かかる男女が結婚するようにし,そうして一組の男女が一緒になったときに,男女で異なるそれぞれの特有の性質(男性性と女性性)で互いの弱点を補い合い,相互に助け合うことで完全な存在となるようにし(男性と男性,女性と女性同士でではない),
(3)その関係を通じて子どもを産み育て,もって子孫を増やし(繁殖し)地上に人口を形成するように創造された.
旧約聖書・創世の書:第1~5章,特に第1章26節~31節,第2章18節~24節を参照.(用語集に記載を予定)

(注釈)
神の御計画は,人が唯一の真の神と神が遣わされた神の御子キリストを知ることにより永遠の命を得ること(聖ヨハネ福音17章).
キリストが建てられたカトリック教会において,結婚(婚姻)は秘跡(超自然的な神の恩恵の印)の一つである.カトリック教会では以下の通り教える.
結婚の目的は,(1)子どもを産み育て,(2)男女の夫婦が互いに助け合い完成し合う(互いに愛,堅忍,犠牲を捧げる)ことを通して家庭生活を神に奉献し,家族みなが霊魂の救いに至ること.
独身者は,霊魂の救い(永遠の命)を得るため,同じ奉献生活を個人で神に捧げること.
天国ではみな天使のようになるので,めとったり嫁いだりすることはなくなる.結婚は身体のある地上生活(現世)だけでのことである.
(具体的な「奉献生活」については後日,用語集に記載を予定.)


2.(旧約聖書・格言の書:第31章…用語集に記載.)


3.(「ロザリオの祈り」について)

「ロザリオの祈り」
神の御母(聖母)の御生涯と共に御子キリストの御生涯を辿(たど)る祈り.
救世主たる神の御子キリスト(=人となられた「神の御言葉」=三位一体であられる唯一の神の第二の位格)により唯一の神が顕現されたが,そのキリストの御生涯(生誕の喜び・受難の苦しみ・復活の栄光)の神秘を通じて顕(あら)われた神の救世の御計画(=人の霊魂に永遠の命をお与えになること)を思い起こし,信仰・希望・愛・神への委託・堅忍などの恵みを,聖母の御取り次ぎを通して神に願う祈り.
この祈りは個人で捧げられるほか,教会,修道会等の共同体,家族で共同で(一緒に)唱えて捧げられる.
自分のためのみならず他者のためにも永福と神の御加護を願うために捧げられる.
(1)世の罪の贖いのため,キリストに倣って神に「償いと犠牲」を捧げるために祈る.
(2)罪人の回心のため,改心の恵みを神に願う(罪人のための執り成しの祈り).

(ロザリオの祈りの詳しい構成については,用語集に記載予定.)

(注釈)

人の命は現世で終わって消滅するのではなく,死後に身体(肉体)が腐敗し滅びてもその霊魂は不滅である.しかし,原罪を持つためどの霊魂も神から永遠の命を与えられなければ来世で天国に住まうことはできない.
短く儚(はかな)い現世における真の幸福は,労苦を避け欲を満たし楽を求めて過ごすことではなく,人生の長短に係わらず,神の掟に従って真面目に生活し,来世において神から祝福され永遠の命の報いを受けることにつながる生き方にある.
従って,現世において男女のどちらにとっても真に幸福な人生とは,神が創造された自然の摂理に従い神に祝福されて生活することのうちにある.すなわち,創造主である神を堅く信じ神に深く信頼して生きることが,真の強い男らしさ・真の強い女性らしさを作る.