2013年10月12日土曜日

326 めでたい記念日 10/12

エレイソン・コメンツ 第326回 (2013年10月12日)

     ルフェーブル大司教( "Archbishop Lefebvre" )が何をなされたかを理解(りかい)しているカトリック信徒の皆さんすべてにとって良いニュースをお伝えします( "I have good news for all Catholics who understood what Archbishop Lefebvre was about." ).イングランド南東部(なんとうぶ)にある8寝室(しんしつ)の家屋(かおく)を購入(こうにゅう)する計画が進行中で,ここが聖ピオ十世会( "the Society of St Pius X" = SSPX )と無関係(むかんけい)に仕事(しごと)を続(つづ)けたいと願(ねが)う人たちなら誰でも使える作戦拠点(さくせん きょてん)になります( "An eight-bedroom house is being bought in south-east England to serve as a base of operations for anybody wishing to continue his work outside of the present SSPX" ).私は SSPX から除名(じょめい)されて丸1年(まるいちねん)のあいだ,少(すく)なくとも物質的(ぶっしつてき)には目立(めだ)たないように振る舞い(ふるまい), SSPX 内で事態(じたい)がどう進行しんこう)するか眺(なが)めてきました.だが,悲(かな)しいことに事態は少しも良(よ)くなっていません( "For a whole year since my “exclusion” from the SSPX I have lain low, at least physically speaking, to watch and wait to see how things would develop within the SSPX, but they are not getting any better, alas." ).      

     ルフェーブル大司教が生きておられたら,彼は第二公会議後(だいにこうかいぎ ご)のローマ(教皇庁〈きょうこうちょう〉)がカトリック教の感覚(かんかく)を取り戻す(とりもどす)ことで, SSPX が伝統(でんとう)を守り続ける(まもりつづける)必要(ひつよう)もなくなるだろうと願(ねが)われたことでしょう( "And so just as the Archbishop can only have wished that Conciliar Rome would come back to its Catholic senses so that there would be no further need for his Society to maintain Tradition, …" ).それと同(おな)じように,私たちも現在(げんざい)の SSPX 指導者(しどうしゃ)たちが大司教の考え方に立ち戻(たちもど)ってくれれば,彼らが固執(こしつ)する実質的(じっしつてき)公会議主義(こうかいぎ しゅぎ)に対して抵抗運動(ていこう うんどう)など続ける必要がなくなると願いたくなります( "… so too one might now wish that the present SSPX leaders would come back to the Archbishop’s way of thinking about Conciliar Rome, so that resistance to their virtual conciliarism would be unnecessary. " ).だが,願望(がんぼう)が現実(げんじつ)を消し去る(けしさる)ことはありません( "But wishes do not make reality go away, …" ).ここでいう現実とは,公会議派(は)のローマが頑(かたく)なに背教(はいきょう)を続けているように( "… and that reality is that just as Conciliar Rome is obdurate in its apostasy, …" ), SSPX 指導者たちが大司教の遺産いさん),すなわち真実に対する権威,を自分たちの好きなように解釈して自らの権威を推し進めることを止めようとしていないことです( "… so too the SSPX leaders have not stopped promoting their own authority to do what they like with the Archbishop’s legacy – authority over truth." )(訳注後記1).真実の教会の継続的業務(けいぞくてき ぎょうむ)のために家屋購入(かおく こうにゅう)が必要(ひつよう)となった( 訳注・直訳=れんがとモルタル(塗装剤〈とそうざい〉購入の必要性. "some bricks and mortar have become a necessity" )のはこうした理由によるものです( "That is why some bricks and mortar have become a necessity for the on-going service of the true Church." ).

     イングランド "England" に家屋(かおく)を購入(こうにゅう)するのは,私が外国人(がいこくじん)として退去処分(たいきょ しょぶん)されない唯一(ゆいいつ)の国(くに)がイングランドだからです( "The house is being bought in England because England is the only country that I cannot be thrown out of as a foreigner." ).対象(たいしょう)の家屋はイングランドにしては比較的(ひかくてき)気候(きこう)の穏(おだ)やかな南東部(なんとうぶ)のロンドンから急行列車(きゅうこう れっしゃ)でさほど(=左程・然程)離(はな)れていない町(まち)にあり,パリ "Paris" とブリュッセル "Brussels" から発車(はっしゃ)するユーロスター "Eurostar" 特急列車(とっきゅう れっしゃ)からのアクセスが容易(ようい)なところに位置(いち)しています( "It is in south-east England with a relatively gentle climate for England, in a town not too far by fast train from London, and of easy access by Eurostar from Paris and Brussels." ).美(うつく)しい海辺(うみべ)の町で,司祭(しさい)たちが訪(おとず)れ,緊張(きんちょう)をほぐし,(思慮分別〈しりょふんべつ〉をもって)話し合い(はなしあい),今日(こんにち)の困難(こんなん)な職務遂行(しょくむ すいこう)のためもう一度気を引き締める(きを ひきしめる)には快適(かいてき)な場所(ばしょ)です( "It is a picturesque town, and should be an agreeable place for priests to visit, to wind down, to talk (in all discretion), and to wind up again for today’s difficult apostolate." ).だが,家屋の購入には40万ポンド(40まんポンド)程度が必要で,その維持費(いじひ)は私が現在(げんざい)住(す)んでいて,どうしても必要(ひつよう)とはおもっていない質素(しっそ)な家(いえ)より多くかかります( "But it will cost more or less £400,000 to buy, and it will cost rather more to run than my present frugal way of life, for which I have not been in need and have hardly appealed." ).自(みずか)ら困窮(こんきゅう)している人たちは寄付(きふ)しようなどと考(かんが)えないでください(新約聖書・聖パウロによるコリントの信徒への書簡〈しょかん〉〈後書〉第8章12,13節〈 "II Cor. VIII, 12-13" 〉参照)( "Let people who are themselves in need not think of contributing (see II Cor.VIII, 12-13), …" ).だが,不安定(ふあんてい)な投資(とうし)を抱(かか)えた投資家(とうしか)たちは,株式市場(かぶしき しじょうが崩壊(ほうかい)し,今日(こんにち)の紙幣(しへい)がインフレで跡形(あとかた)もなくなる前に,ぜひその資金(しきん)を天国(てんごく)の完全に安全(かんぜんに あんぜん)な銀行口座(ぎんこう こうざ)に移(うつ)すようお考(かんが)えください( "… but let investors with fragile investments think of transferring funds to their completely secure bank accounts in Heaven before the stock markets collapse and before today’s paper monies are inflated out of all recognition." ).私は家屋購入額(かおくこうにゅう がく)の10パーセントを2か月以内(2かげつ いない)に,残(のこ)りをその後(ご)間もなく(まもなく)調達(ちょうたつ)しなければなりません( "I must find within two months or so a tenth of the sum, and the rest soon afterwards." ).

     * いずれの通貨建て(つうか だて)でも,クレジットカードまたはデビットカードで少額(しょうがく)の寄付(きふ)をなされる( "… small credit- or debit-card contributions" )方(かた)は世界中(せかいじゅう)のとこからでも PayPal 経由で私たちの手元(てもと)に簡単(かんたん)に届(とど)きます( www.paypal.com/sendmoney にアクセスし buildingfund@stmarcelinitiative.com. 宛(あ)てにお送(おく)りください) ( " * In ANY CURRENCY small credit- or debit-card contributions from anywhere in the world can easily reach us via PayPal. ( Go to www.paypal.com/sendmoney and send the contribution to buildingfund@stmarcelinitiative.com  ) " ). * 英国ポンド建てで銀行手形(ぎんこうてがた,"banker’s draft" )もしくは小切手(こぎって,"checks" )により寄付される方は St Marcel Initiative, P.O. Box 423, Deal CT 14 4BF, England に宛てにお送りください( " * Contributions in POUNDS STERLING by banker’s draft or check should be made out and sent to the St Marcel Initiative, P.O. Box 423, Deal CT 14 4BF, England. " ).* 米(べい)ドル建(だ)て銀行手形もしくは小切手による寄付も St Marcel Initiative に宛て, 9051 Watson Rd., Suite 279, Crestwood, MO 63126, USA へお送りください(米国からの寄付は即座〈そくざ〉に税金控除〈ぜいきん こうじょ〉の対象〈たいしょう〉となります)( " * Banker’s drafts or checks in US DOLLARS should likewise be made out to St Marcel Initiative and sent to 9051 Watson Rd., Suite 279, Crestwood, MO 63126, USA (the US contributions will soon be tax-deductible). " ).
(訳注・数字の修正…St Marcel Initiative 宛てのご寄付の宛先の番地を, 6051 〈誤〉から 9051 〈正〉に修正いたしました.
正しくは,9051 Watson Rd., Suite 279, Crestwood, MO 63126, USAです.
〈宛先の住所の番号が 6051 となっていたのは誤〈あやま〉りです.〉)      

     * ユーロ建て寄付の場合は,小切手を “Institut Culturel St Benoit” 宛てにし, ICSB, BP 60232, F78002 Versailles Cedex, France へお送りください( " * In EUROS, checks made out to “Institut Culturel St Benoît” should be posted to ICSB, BP 60232, F78002 Versailles Cedex, France. " ).ユーロ建て寄付金についてもフランス国内(こくない)からの場合, RIB - 20041 01012 6704 141J033 09 へ,フランス国外(こくがい)からの場合, the International Bank Account Number IBAN - FR85 2004 1010 1267 0414 1J03 309 へ, BIC – PSSTFRPPSCE を書き加えることで(かきくわえることで),電信送金(でんしん そうきん)が可能(かのう)です( "Euros can also be sent by wire transfer from inside France to RIB - 20041 01012 6704 149J033 09; from outside France to the International Bank Account Number IBAN - FR85 2004 1010 1267 0414 9J03 309, with BIC – PSSTFRPPSCE" ) *その他の電信送金の場合は,buildingfund@dinoscopus.org へEメール(電子〈でんし〉メール)で詳細(しょうさい)をお問い合わせ(おといあわせ)ください.米国内(べいこくない)からの場合は www.stmarcelinitiative.com の "e-check/bank wire" をご利用いただければ便利(べんり)です ( " * For other bank wire transfers, please write to us for details at buildingfund@dinoscopus.org, or, in the USA, use the convenient “e-check/bank wire” form at www.stmarcelinitiative.com . " ).      

     上記(じょうき)いずれの寄付の場合も “Building Fund” と印(しる)してください.あらゆるご支援(ごしえん)に対し前もってお礼を申し上げます( "Any contribution please mark “Building Fund”. Thank you in advance for all and any help. 
Kyrie eleison." ).      

     キリエ・エレイソン.

     リチャード・ウィリアムソン司教


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第2パラグラフの訳注1:

「…SSPX 指導者たちが大司教の遺産,すなわち真実に対する権威,を自分たちの好きなように解釈して自らの権威を推し進めることを止めようとしていない…」
についての説明.

・SSPX の指導者たちは,「真実〈=真理〉」について,

・「独善的〈どくぜんてき〉〈=恣意的〈しいてき〉〉

・ご都合主義的〈ごつごうしゅぎてき〉 "opportunistic" に解釈(かいしゃく)された「偽(にせ)の権威主義(けんいしゅぎ)」により,

・「真実」とはその時々〈ときどき〉の時代〈じだい〉に合(あ)わせて変遷〈へんせん〉してゆく「一時的(いちじてき)」な存在であるという,捻じ曲〈ねじま〉げられた偽(いつわ)りの解釈〈かいしゃく〉に同調(どうちょう)し,

・永遠〈えいえん〉に不変〈ふへん〉かつ変更不可能〈へんこう ふかのう〉であるはずの「真実〈=真理〉」を「一時的(いちじてき)に存続するだけの限界〈げんかい〉ある偽〈にせ〉の権威〈けんい〉」によって支配(しはい)しようとしている).

・「真実」とは「神」のことで,いつの時代(じだい)にも変わらない永遠の存在(えいえんのそんざい)である.

・たとえば数学の法則「1+1」の解答は「2」ということが永遠に変わらない「不変の真理」であるように,「宇宙・地上のあらゆる原理・法則・自然」は,「神に創造され,神によって定められ」,

・「神そのものに等(ひと)しく,完全無欠な存在」である.また,「ことごとく神の御意志を反映して存在している.」

・したがってまた神と完全に調和した関係のもとに存在しており,一切の不完全・不調和・偶然(ぐうぜん)はそこに共存し得ない.

・この原理は真実であり,すなわち「事実・実存」であり,決して「迷信(めいしん)」や「(不確〈ふたし〉かな)宗教(しゅうきょう)」といって済ませられるような「幻想(げんそう)」や「錯覚(さっかく)」ではない.

・しっかりと現実に立つ人ならば,「カトリックの信仰」とは「迷信すなわち迷(まよ)った信心・よく判(わか)らない信心にふけること」では決してなく,

・真っ直ぐに「事実を認識し,現実 "Reality" をしっかりと冷静に見据(みす)えて,誤魔化(ごまか)すことなく,真の正義,善徳(=他者や自然と平和に共存すること)に従(したが)って,人生を真面目(まじめ)に生きて行くこと」であり,

・この真理は全宇宙・地上ともに共通の永遠の原理である.

・有限な人間が「永遠の神・神の摂理(せつり)"Providence" 」を変えようとしても,それは不可能なことである.

・「偽り」からあらゆる「不調和」「不和」が生まれる.

・「真実」を守らなければ,人間は誰でも,万事において,身も心も平穏無事(へいおんぶじ)に生きていくことができない.

・新約聖書・ヤコボの手紙:第3章13-18節,エフェゾの信徒への手紙:第4章1-6節を参照.


ヤコボの手紙:第3章13節-第5章20節

 『あなたたちの中に賢明(けんめい)なそして経験(けいけん)のある人がいるだろうか.その人はよい生活をし,知識(ちしき)と柔和(にゅうわ)をもってその業(わざ)を行っていることを示せ.しかし,心で苦々(にがにが)しい熱心と争(あらそ)いを好んでいるのなら,自(みずか)ら誇(ほこ)らず,また真理(しんり)に背(そむ)いて偽(いつわ)るな.その知識は上(うえ)(=天)から下(くだ)るものではなく,地上的(ちじょうてき)な情欲的(じょうよくてき)な悪魔的(あくまてき)なものである.ねたみと争いの心のあるところには乱(みだ)れとすべての悪(あく)がある.
 上からの知恵(ちえ)はまず清(きよ)いもの,そして平和(へいわ)な寛容(かんよう)な謙譲(けんじょう)なもの,あわれみと良い実(よいみ)に満(み)ち,人を差別(さべつ)せず,偽らないものである.義(=正義)の実は平和を行う人々のために,平和のうちにまかれるものである.

 あなたたちの中の戦争と争いはどこから来るのか.肢体(したい)の中で戦っている欲望(よくぼう)から出るのではないか.あなたたちが望(のぞ)んでも得(え)られず,ねたみそねんでも取(と)れず,戦い争っても何も得られないのは,求(もと)めないからである.
 あなたたちは求めても与えられない.快楽(かいらく)に費(つい)やすために悪い意向(わるい いこう)をもって求めるからである.

 姦通者(かんつうしゃ)(=神に不忠実な者)よ,あなたたちが世の友(よの とも)となるのは,神を敵(てき)にすることだと知らないのか.世の友となる者は,神の敵となる.「神は私たちに住(す)まわせた霊(れい)(=人間の心,霊魂〈れいこん〉のこと)をねたむほど愛される」と聖書にあるのはむなしいことばだと思うのか.
 しかし神はより豊(ゆた)かな恵(めぐ)みを下される.「神はおごる者に逆(さか)らい,へりくだる者を恵まれる」と聖書にある.だから,あなたたちは神に従(したが)い,悪魔に逆らえ.そうすれば悪魔はあなたたちから逃げ去(にげさ)る.神に近(ちか)づけ.そうすれば神はあなたたちに近づかれる.罪人よ,手を清(きよ)めよ.二心(ふたごころ)の者よ,心を清めよ.自分のみじめさを思い知れ,泣(な)け,うめきもだえよ.あなたたちの笑(わら)いを涙(なみだ)に,喜(よろこ)びを悲(かな)しみに変(か)えよ.主のみ前(みまえ)にへりくだれ.そうすれば主はあなたたちを高められる.

 兄弟たちよ,互いに悪口(あっこう)を言うな.兄弟をそしり兄弟をさばく者は,律法(りつぽう)をそしり律法をさばく者である.あなたが律法をさばくなら,あなたは律法の守り手(まもりて)ではなくさばく人である.しかし,立法者(りっぽうしゃ)と審判者(しんぱんしゃ)はただ一人,救(すく)うことも滅(ほろ)ぼすこともできるお方(=全能の神)である.すると隣人(りんじん)をさばこうとするあなたは何者か.

 「今日か明日,私たちはここの町へ行き,一年の間そこに滞在し,商売してもうけよう」と言う者よ,聞け.あなたたちは明日がどうなるかを知らない.あなたたちの命(いのち)とは何か.あなたたちはしばらく現(あらわ)れて瞬く間(またたく ま)に消える湯気(きえる ゆげ)である.むしろ,「主のみ旨(むね)なら私たちは生きて,あのこと このことをしよう」と言わねばならない.しかし今あなたたちは,思い上がり高ぶっている.だがそういう高ぶりがよくない.しなければならぬ善を知りながらそれをしない者は(神のみ前に)罪を犯したことになる.」

 さて富(と)む人々よ,あなたたちに降(ふ)りかかろうとする災難(さいなん)のために泣き叫(なきさけ)べ.あなたたちの富(とみ)は朽(く)ち,衣服(いふく)はむしばまれ,金銀は錆(さ)びた.その錆(さび)はあなたたちに対する訴え(うったえ)であり,あなたたちの肉を火(ひ)のように食い尽(くいつ)くすであろう.その火はあなたたちがこの最後の日々に蓄(たくわ)えたものである.畑(はたけ)を刈り入(かりい)れた働き人(はたらき びと)にあなたたちが払(はら)わなかった賃金(ちんぎん)は叫(さけ)び,刈り入れ人(かりいれ びと)の叫(さけ)びは万軍(ばんぐん)の主(しゅ)の御耳(おん みみ)に届(とど)いた.あなたたちはこの地上で楽しみ,快楽にふけり,ほふられる日に心を満足させた.あなたたちは義人(ぎじん)を罪に定めそして殺したが,彼はあなたたちに逆らわなかった.

 兄弟たちよ,主が来(こ)られるまで忍耐(にんたい)せよ.見よ,農夫(のうふ)は地の尊(とうと)い実を秋と春の雨が来るまで忍耐して待つ.あなたたちも忍耐し,心を固めよ.主が来られるのは近(ちか)い.兄弟たちよ,さばきを逃(のが)れたいのなら互いに不平(ふへい)を言うな.
 審判者は門(もん)の前に立たれる.兄弟たちよ,根気(こんき)と忍耐の模範(もはん)として,主のみ名によって話した預言者(よげんしゃ)たちを思(おも)え.私たちは苦(くる)しみを耐え忍(たえしの)んだ者を幸(さいわ)いな者と呼(よ)んでいる.あなたたちはヨブの忍耐を聞き,主が彼にどんな最後(さいご)を与(あた)えられたかを知(し)っている.主は慈悲(じひ)とあわれみに満(み)ちておられる.

 ともあれ兄弟たちよ,何よりも,天を指(さ)しても地を指してもあるいはその他のものを指しても誓(ちか)うな.あなたたちは「はい」を「はい」とし,「いいえ」を「いいえ」とせよ.そうすればさばかれない.

 あなたたちの中に苦(くる)しんでいる人がいるなら,その人は祈(いの)れ.喜(よろこ)んでいる人がいるなら,その人は賛美(さんび)を歌(うた)え.病気(びょうき)の人がいるなら,その人は教会の長老(ちょうろう)たちを呼(よ)べ.彼らは主のみ名によって(=キリストの命令(めいれい)と権威(けんい)によって)油(あぶら)(=終油の秘跡〈しゅうゆの ひせき〉=臨終〈りんじゅう〉に瀕〈ひん〉しているカトリック信者が受ける)をぬってから祈(いの)りをとなえる.  そして信仰(しんこう)による祈りは病気の人を救(すく)う.主は彼を立たせ,もし罪を犯しているなら,それをゆるされるであろう.互(たが)いに罪(つみ)を告白(こくはく)し,治(なお)されるために互いに祈れ.義人の熱心(ねっしん)な祈りがあれば効果(こうか)がある.(預言者)エリアは私たちと同じ人間であったが,雨(あめ)が降(ふ)らないように祈ったので,三年六か月の間地上に雨が降らなかった.そしてまた祈ったので,天は雨を与(あた)え地にはその実がみのった.

 兄弟たちよ,あなたたちの中に真理(しんり)から迷(まよ)った者がいて,ある人がそれを連(つ)れもどしたとしよう.一人の人を迷いの道(みち)から連れもどす人は,自分の霊魂(れいこん)を死(し)から救い,多くの罪を消(け)すことを知れ.』


(引き続き聖書を追補掲載いたします.)

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